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【塗装】  塗装用具の基礎知識 [2]

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監修

■山田 芳照
DIYCITY代表
DIYアドバイザー
ホームセンター達人
DIYプロダクション代表

<プロフィール>

テレビ番組出演も多くDIYブームの仕掛け人として活躍している。DIYに関する出版も多数。また、イベントなどでの講師経験も豊富。2011年にDIY女子部を立ち上げた。

広い面を塗るにはローラーバケ

 塗料を塗るというと、ハケをまず思い浮かべる人が多いと思いますが、壁や天井など広いところを塗るのであれば、ハケよりローラーバケが絶対におすすめです。

 コロコロと転がしていくだけで、広い面が一番スピーディーに塗れ、しかも簡単できれいに楽しく塗れるのがローラーバケです。

 ブロックや壁紙など凹凸のある面を塗るときは、ローラーバケが一番です。凹んだ部分も一気に塗ることができます。平らな面を塗るときは、コテバケを以前はすすめていましたが、実際に塗ってみるとローラーバケのほうがはるかにスピーディに塗ることができます。ただしローラーマークというモヤモヤとした徴妙な凹凸ができ、塗っているときは多少気になりますがますが、乾くとほとんど目立たなくなります。


ローラーバケの種類

 ローラーバケは、ローラーを横に引き抜くと、ローラーハンドルとローラーに分かれます。したがって、ローラーハンドルだけ、ローラーだけも売られています。

 ローラーの幅は、100mm、180mm前後、230mm前後で、規格はなく、メーカーによって多少違いがあります。基本的には広い面を塗るときは幅が大きいローラーを、狭い部分を塗るときは幅の狭いローラーを使いますが、使いやすそうなものを選べばOKです。

 ローラーの直径にも種類があります。ローラーの内径が38mmぐらいのスタンダードローラーは、一般的に使われているものです。内径が23〜26mmぐらいのものはミドルローラー、15mmぐらいのものは、スモールローラーとかスリムローラーと呼ばれています。太いもののほうが塗料をたくさん含むことができるので、広い面を塗るには適していますが、塗料をつけるとかなり重くなります。細いものは狭い面を塗るのにてきしています。

 ただ、女性には塗料をつけても軽いミドルローラーかスモールローラーがいいかもしれません。私も以前はスタンダードを使っていましたが、今ではスモールローラーを愛用しています。

 ローラーの毛の長さも3種類あります。一般的なのが中毛タイプで、毛の長さは約10〜15mmで、壁、コンクリート、合板など万能タイ、ほとんどこれが使われています。

 毛の長さが20mm以上ある長毛タイプは、ブロックなどの凹凸の激しい面を楽な塗ることができます。毛の長さが9mm以下の短毛タイプは平滑な面をきれいに仕上げるのに使います。ローラーマークもあまり目立ちません。


ローラーハンドル スタンダードローラー・スリムローラー

●長毛(粗面用ローラーカバー)
●中毛(万能用ローラーカバー)
●短毛(平滑面用ローラーカバー)  
 

 その他には、ウレタンなどのスポンジローラーは水性塗料で平滑な面を塗るのに使います。また目の粗い網目のようなローラーは、水性外壁用塗料で骨材(砂の一種)入りの弾性塗料を塗るときに、これで塗ると凹凸がきれいに出ます。

●凹凸用ローラーカバー
凹凸用ローラー


ローラーバケに塗料をつけるとき

 ローラーバケに塗料をつけるには、受け皿が必要です。受け皿にもサイズがいろいろありますが、ローラーの幅に合わせて選びましょう。もちろんこの場合、大は小を兼ねるので、大きい受け皿を使ってもOKです。

 ローラーバケに塗料をつけるときは、塗料をよく混ぜてから受け皿の凹んだ部分に入れ、ローラーバケに塗料をつけます。凹み部分に入れた塗料にローラーバケをつけ、受け皿の山の部分で少し力を入れながら下に向かって一方方向に転がし、塗料が均一にローラーバケにつくようにします。

 ローラーバケを受け皿の山の部分で上下方向に行ったり来たり反転させているだけでは、均一につきません。特に太いスタンダードローラーは塗料がついた部分が重いので、持ち上げると塗料のついた部分が下を向いてしまいます。下に向かって一方方向に転がし、かなり均一についたと思っても塗料がついた逆の部分の塗料が薄いことがあるので、その部分にも塗料をつけるようにしましょう。

ローラーバケに塗料をつける ローラーバケに塗料をつけたら、受け皿の山の部分で下に向かって一方方向に転がして、塗料が均一につくようにする。
受け皿 受け皿

 また、壁など広い面積を塗るときはローラーバスケットが便利です。塗料もたっぷり入りますし、ローラーバケは塗料にどぶづけすればOKなので、受け皿よりも使いやすいかもしれません。後はバスケットネットの上で、下に向かって一方方向にころがして、塗料をよくなじませるとともに、余分な塗料はしごき取ります。バスケットネットは取りはずしがきくので、塗装用具を洗うときなどにも使うことができますし、塗装用具の保管にも使えます。
ローラーバスケット

高いところは継ぎ柄をつけて

天井には継ぎ柄をつけて 別売りされている継ぎ柄は、ローラーバケの柄にねじ込むことができるようになっています。壁の高い部分や天井などは、ローラーバケに継ぎ柄をつけて塗ると、足場がなくても楽に塗ることができます。継ぎ柄は60cm、130cmなど長さはいろいろで、伸縮するタイプもあります。伸縮タイプのほうが、高さに合わせて長さを調整できるのでおすすめです。なお継ぎ柄はコテバケにも使えます。

ローラーバケの塗り方

 壁面など広い部分を塗るとき、始めからタテに塗り進めていくと、塗り始めのところは厚く塗料がつき、塗っていくうちに薄くなって均一に塗ることができません。始めにローラーバケをW字に動かし、幅70センチぐらいに塗料を配るのがポイントです。

その後ローラーバケを縦にゆっくり転がしながら塗っていきます。ローラーバケの幅の3分の1ぐらいが重なるように、そして最初は軽く押しつけ、ローラーバケについている塗料が減ってきたら徐々に力を入れるように転がすのが、きれいに仕上げるコツです。なおローラーバケはゆっくり動かすこと。速く動かすと塗料が塗っている人のほうに、はねて飛ぶので注意しましょう。

ネットフェンスはローラーで

ネットフェンスはローラーで ネットフェンスは少なくなっていますが、これを塗るときは、八ケで塗ろうとすると大変。そこでローラーバケを使うことをおすすめします。ローラーバケはネットの線に沿って斜めに動かしながら塗り、裏面も同じように塗ればスピーディーに塗ることができます。

ローラーバケを使いかけで置いておくとき

 塗装しているときに、ローラーバケを使いかけで置いておくとき、ローラーバケを塗料の中に突っ込んでしまうと、また塗料を平均につけなくてはなりません。そんなとき、ローラーの柄の根元についているローラーフックを、受け皿の端に引っ掛けておくと便利です。

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