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住まいの手入れ用品】  潤滑剤の分類・用途

監修

■山田 芳照
DIYCITY代表
DIYアドバイザー
ホームセンター達人
DIYプロダクション代表

<プロフィール >

テレビ番組出演も多くDIYブームの仕掛け人として活躍している。DIYに関する出版も多数。また、イベントなどでの講師経験も豊富。2011年にDIY女子部を立ち上げた。

 

 先日、メールで潤滑剤の分類と用途についてご質問をいただきました。これについては、詳しくなかったものですから、ある潤滑剤のメーカーのかたに質問をしたところ、次のような資料をいただきました。とても簡潔にわかりやすく書いていただいたので、何かのお役に立てばと思い、ここに掲載させていただくことにしました。

液状

シリコーンオイル系
 ジメチルシロキサン(シリコーンオイル)をスプレーにしたものが多く、特徴として平滑性にすぐれています。またオイル自体が浸透性を持っています。

 用途としては、軽荷重の潤滑性(すべり性のほうが適当かもしれません)に向いていますが、荷重がかかると潤滑性がなくなります。(油膜強度が弱い)またホコリが付着しやすい欠点もあります。
 ミシンテーブルで布や人工皮革を縫うときにすべりをよくする、作業台やコンベアーなどで商品を移動させるときにすべりをよくする、印刷工程の断裁するときに断裁テーブルに使用して紙のすべりをよくするなどに使われています。

 またシリコーンには離型効果があるので、粘着剤、接着剤の付着防止効果があり、タックシール印刷の抜き刃への粘着剤付着防止として使用されています。プラスチックの成形するときの金型からの離型剤としても使用されています。

 ただし、シリコーンが付着したものは、接着や塗装ができなくなるので注意が必要です。

CRC5-56 防錆・浸透・潤滑剤(CRC5-56に代表されるもの)
 水置換性を持つオイルに浸透性のあるオイル(オイルでなく溶剤に近く、一般的には無臭灯油が多い)、防錆剤(ラノリンなど)を配合したものです。

 かなり広い範囲に使用できるオイルですが、浸透性を持たせるためにどうしても潤滑と防錆効果が弱くなります。

 用途としては、サビついたボルト・ナットなどのゆるめ剤としてや、丁番、チェーンなどのサビ・汚れの除去と短時間の潤滑、室内保管時の防錆などに向きます。サビ・汚れに対する浸透性以外は、あくまでも短時間の効果しか期待できません。
 一部の商品に潤滑効果を強くするために、モリブデンや四フッ化エチレン(テフロン)などを添加しているものもあります。ある程度の量が入っていれば、かなり効果がよくなります。

* 洗浄力があるために、車のドアヒンジやベアリングなどグリースを入れて潤滑する設計の部分に使用すると、グリースを洗浄し、キシミやガタが発生することがあるので注意。

オイル系
スピンドル油(ミシン油)などをベースにしたもので、一般的にはミシンオイルがあります。油膜強度が結構強く、一般の潤滑には充分使用できます。ただし浸透性は弱く、細部に入りにくい面があります。

グリース系
オイルと金属石けんの混合物で、強い油膜層を作ります。長期間の潤滑に向きますが、浸透性がまったくないために、必要場所に注入するか、組み立て時に塗布することが必要です。スプレータイプの場合は、ある程度のしみ込みはあります。


固体

 黒鉛、二硫化モリブデン、ボロンなどの結晶体と、テフロンやタルクなどの粉末タイプがあります。いずれも油分をきらう場所や、ホコリの付着をきらう場所に向きます。またはオイルと一緒に混合しているものは、高荷重や高温の場所の潤滑に向きます。荷重や温度に対しては、結晶系のほうが強いようです。


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