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水道水はNG!ウォッシャー液の 正しい補充方法
- 2023/11/8
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雨や雪、ホコリなどですぐに汚れてしまうクルマのウインドウ。汚れが付着した際に役立つのがワイパーとウインドウウォッシャー液だ。そんな視界確保と安全運転にはかかせないウォッシャー液の正しい補充方法や使いかたとは。
1.汚れを洗浄し視界を確保するウォッシャー液とは?
2.油膜除去や撥水タイプなどウォッシャー液の種類
3.水で代用するのは極力避けるべし
4.気温の下がる冬はウォッシャー液も交換
5.補充は簡単。ウォッシャータンクに注入するだけ
6.ウォッシャーノズルが詰まったら
まとめ
1. 汚れを洗浄し視界を確保するウォッシャー液とは?
ウインドウウォッシャー液は、クルマの窓ガラスを洗浄するために使われる液体(洗剤)だ。ウインドウだけでなくヘッドライトなどにも使われており、汚れたガラスの前面を洗浄し視界を確保してくれるという運転には欠かせないものだ。レバー操作だけで簡単に噴射ができるので、頻繁に使用するものだが、自分のクルマのウォッシャータンクにどれくらいウォッシャー液が残っているが意外に無頓着なドライバーも少なくない。
ウォッシャー液自体は特別なものではなく、主成分はエタノールと界面活性剤。界面活性剤が汚れの表面に吸着して浮き上がらせまることで水では落ちない泥や油膜汚れを洗浄してくれる。界面活性剤台所用洗剤にも使われているが、その成分には違いがある。そのためウォッシャー液が切れ手元にないからといって適当に台所用洗剤などを流用するのは絶対に避けよう。
なぜなら台所用洗剤は泡切れがよくなく泡や跡が残ってかえって視界が遮ってしまうことがあるからだ。さらに製品によってはかえって油膜をつくってしまうものもある上塗装に悪影響が与える可能性もある。 専用のウォッシャー液には凍結防止や油膜除去のための成分も入っているのでよほど緊急でない限り安易に台所用洗剤などは使うべきではないだろう。
2.油膜除去や撥水タイプなどウォッシャー液の種類
ウォッシャー液には洗浄効果だけ持つシンプルなものから、強力な油膜除去や撥水コーティング機能を持つものなどまで様々なものがある。ウォッシャー液として販売されているものならどれも使用しても洗浄効果は得られるのだが気をつけなくてはいけないのが別の種類を混ぜないようにするということこと。必ず古いものを使い切ってから(もしくはすべて噴射してしまってから)新しい物を注入しよう。
特に注意が必要なのが撥水コートタイプのウォッシャー液と油膜取りタイプウォッシャー液。これらは絶対に混ぜてはいけない。全く逆の性質をもっているためコーティング効果も油膜取り効果も発揮できないだけでなく、洗浄効果へも悪影響を与える可能性がある。場合によっては化学変化によってウォッシャーノズルを詰まらせてしまう可能性もある。注意が必要だ。
もし、ウインドウにコーティング剤を愛用しているなら、ウォッシャー液も同じブランドの撥水コートタイプを使用するのが良いだろう。ワイパーのビビり音を抑えたり撥水効果を長持ちさせることが可能となる。 逆に撥水コートをしていないのに、撥水コートタイプのウォッシャー液を使用してしまうと、中途半端にウインドウが撥水コーティングされ逆に視界が悪くなってしまうこともある。気を付けたい。
3.水で代用するのは極力避けるべし
意外にやってしまいがちなのがウォッシャー液変わりに水道水を入れるという行為だ。真水であればすぐにトラブルが起きることはないが、ミネラルウォーターを入れるのは避けておき外。理由は殺菌成分であるカルキが含まれていないから。もしウォッシャー液に混ぜてしまうとウォッシャータンクの中で雑菌やカビ、藻などが繁殖してしまうことがあるのだ。加えてカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分がウインドウやボディに付着してみにくい跡になってしまうことも。使用するのは絶対に避けよう。
じゃあ水道水ならいいのかというと、こちらもあまりおすすめできない。ミネラルウォーターよりはマシだが長期間の防腐効果は期待できない。使い切らずに長期間放置すると、やがて腐ってカビや藻が生えてしまうリスクはミネラルウォーター同じようにあるのだ。水道水を使ったせいでカビや藻でウォッシャー液のパイプが詰まってしまうという危険性もあるのだ。
旅先などでどうしでもウォッシャー液が手に入らないという場合は一時的に水道水で代用してもかまわないが、その後ウォッシャー液が手に入ったら早急に交換、もしくは希釈タイプなら正しい混合比になるように継ぎ足して混ぜて使用するようにしよう。
4.気温の下がる冬はウォッシャー液も交換
ウォッシャー液の交換は必要なのか? 通常はウォッシャータンク内の残量が減ってきたタイミングで、同じウォッシャー液を補充すればいい。しかし、冬場など気温が大きく変わる季節にはウォッシャー液全量交換することも検討しよう。
なぜなら気温低下でウォッシャー液そのものがタンク内で凍り付いてしまう可能性があるからだ。さすがに寒冷地でなければそのようなことはそうそう起こらないが、冬場スキーやスノボなどウインタースポーツが楽しむという方は、気温が下がり始めたなと感じたら寒冷地用のウォッシャー液や、濃縮タイプのウォッシャー液へと交換したほうが間違いないだろう。 もし、低温に対応していない希釈タイプのウォッシャー液を、低温化で使用すると場合によっては噴射したとたんにウインドウ上で凍結してしまうこともある。そうなれば視界はゼロになり、事故につながる可能性もあるのだ。くれぐれも注意しよう。
トヨタの新型カローラなど、ウォッシャータンク内を加温してお湯を吹き出すウインドウウォッシャーなどというものもあるが、まだ珍しいアイテムで普及するまでにはもう少し時間がかかるだろう。
5.補充は簡単。ウォッシャータンクに注入するだけ
普段ディーラーやガソリンスタンドにお任せしているという方もいるだろうが、ウォッシャー液の交換はとても簡単だ。その手順は以下の通り。タンクの位置などは車種によって違うが下記の画像にあるアイコンを頼りに探せばすぐに見つかるはずだ。
①ウォッシャータンクの位置を確認する
まずはクルマのボンネットを開けて半透明のタンクを探してみよう。通常は画像のようにウォッシャー液が注入しやすい位置の配置されている。似たようなブレーキフルードのタンクとはくれぐれも間違えないように気を付けよう。
こちらがウォッシャータンクのキャップ。このようにわかりやすいアイコンが刻まれいるのでこれを頼りに探してみよう。キャップは手で簡単に開けることができる。
②キャップを開けウォッシャー液を注ぐ
タンクの位置がわかったらキャップをあけ用意しておいたウォッシャー液を注げばいい。希釈タイプのウォッシャー液はあらかじめ希釈しておいても良いし、原液のウォッシャー液を注入後、あとから水道水を適切な量入れてタンク内で希釈しても構わない。
希釈タイプのウォッシャー液は、地域や季節に応じて希釈の割合が変わるものもあるので説明書きなどをよく確認しよう。ウォッシャー液は入れすぎると走行中にあふれてしまうことがあるので、タンクにある目盛りを頼りにFULL、またはMAXの位置まで入ったらそれ以上入れないようにする。これで終了だ。
もし注入中にエンジンルーム内にウォッシャー液をこぼしてしまった場合は、念のため電装部品に水がかからないように注意しながら真水で洗っておくといいだろう。
●ウォッシャー液全量を交換するには
撥水タイプから油膜取りタイプなど、ウォッシャー液をまったく別のタイプに交換したい場合は、一旦それまで使っていたウォッシャー液を全量抜き取ってから新しい物に入れ替える必要がある。前述の通り全く別の効果を持つウォッシャー液を混ぜると思わぬ不具合が起きることがあるから。
もしタンク内に大量のウォッシャー液が残っている場合は、長時間のウォッシャーポンプを使い続けると余計な負荷をかけ故障の原因になる可能性がある。その場合は一度で全て噴射させるのではなく、数回に分けて作業するといいだろう。
古いウォッシャー液を全量使い切ったら、すぐに新しいウォッシャー液を入れるのではなく一旦水を入れウォッシャータンクからホース、噴射ノズルや、ノズルまで水で洗い流そう。こうすることで極力別のウォッシャー液同士が混ざるのを避けるのだ。先ほどと同じようにタンクの半分程度まで水をいれ後は空になるまで噴射すればいい。空になったら新しいウォッシャー液を注入して交換完了だ。
6.ウォッシャーノズルが詰まったら
ステアリングのレバーを操作してもウォッシャー液が出ないという場合、原因として考えられるのがノズルの詰まりだ。ウォッシャーノズルはクルマのボンネットにあるウォッシャー液を噴射するノズルで、この部分にホコリやウォッシャー液が詰るとウォッシャー液は噴射されなくなる。タンク内にウォッシャー液が十分にあり、途中のホースからの漏れもない。さらにポンプの作動音も聞こえるという場合はノズルの詰まりの可能性が高いだろう。
その場合の修理は簡単だ。安全ピンや細い針など先のとがったものでノズルの穴を軽く掃除してみればいい。詰まりが取れればおそらく治るはずだ。
もしノズルの掃除をしてもトラブルが解決しないという場合はポンプの故障の可能性がある。レバー操作をした際にポンプの動作する音が聞こえないようなら、DIYでの修理は難しいので自動車ディーラーや修理工場に修理を依頼しよう。くれぐれも放置するのはおすすめできない。ウォッシャー液が使えないことで視界が確保できず大きな事故につながることもあるのだ。故障を確認した場合は放置せず、すぐに修理しよう。
■(著)山田芳照 :ウォッシャー液の 正しい補充方法、DIY技術監修、DIY講師